自民・丸川珠代氏、目をうるませ「私たちの力不足だった」 参院から衆院東京7区にくら替えも実らず

2024-10-28     HaiPress

27日投開票の衆院選で、国政経験のある3人がせめぎ合う構図となった東京7区では、政治資金収支報告書に計822万円の不記載が発覚し、党の処分を受けた元五輪相の自民新人丸川珠代さん(53)の落選が確実となった。

落選が確実となり目を潤ませ頭を下げる丸川珠代さん=27日午後10時17分、東京都港区で(安江実撮影)

午後8時に丸川さんの落選の確実が伝えられた後、1時間以上たっても、本人は一向に港区内の事務所に現れなかった。支援者向けの椅子が40席用意されていたが、訪れたのは8人で静まりかえった。

午後10時15分ごろ、上下黒のスーツ姿で丸川さんは事務所に姿を見せた。支援者に頭を下げ、報道陣の取材に応じた。マイクを手に「ここまで大変なお力添えをいただいてまいりました。にもかかわらず、良い結果が出せなかった。しっかりと皆さまにご信任をいただけず、本当に申し訳ございませんでした。私たちの力不足だったと痛感しています」と語った。

落選が確実となった丸川珠代さんの事務所(小沢慧一撮影)

報道陣から裏金事件の影響について問われると、「大きく影響したと感じている。わが党の対応が地域、国民の皆さまの理解を得られなかった。私も言葉を尽くしたつもりだが、信頼を得られなかった」と応じた。今後については「自民がやり直す、地域の仲間と一緒に再スタートできるよう力を合わせていきたい」と述べ、5分ほどで事務所を後にした。

◆「裏金」で比例代表への重複立候補も認められず

参院からくら替えして挑んだ丸川さんは、自民の公認を得ながらも、裏金問題の影響で比例代表への重複立候補も認められない背水の陣だった。公明からは推薦を得られず、厳しい戦いとなった。

落選が確実となった自民の丸川珠代さん

選挙戦では「私自身に個人口座での資金の管理や使途不明金というものは一切ない」と潔白を強調。政治資金の透明化を図るため、第三者機関設立の必要性を訴えた。一方で街頭演説予定は公表せず、一部からは「有権者への説明を逃げている」との批判も出た。

また、安倍晋三元首相の妻、昭恵氏らが応援に駆け付けた際には、「正しい道をいくものが、正しい道を進める政治を作り直したい。天におられる安倍先生にお誓いし、選挙に臨んだ」と涙ながらに語る場面もあった。

21日に実施された東京青年会議所による公開討論で、自身の裏金問題について丸川さんが「資金は(自分の)口座で管理していた」答えたとする今年2月の報道について、丸川さんは「『自分の』とは発言していない。誤報だ」などと主張。司会などから「報道か丸川さんのどちらかがウソをついていることになる」「政治生命に関わるので白黒つけるべき」とあったが、「機会があれば」と曖昧な回答で終わった。(小沢慧一)

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