なぜ業者は「駅前の老朽化マンション」を狙うのか 住民の「耐震診断」を願う声をよそに、再開発の話は進み

2026-03-25     HaiPress

東京変貌〈追い出される住民〉②(全7回)

大崎駅前(東京都品川区)のマンション「ニュー大崎」に住む沢田明美さん(64)=仮名=が、再開発の話を初めて聞いたのは2013年のことだ。

ニュー大崎のマンション管理組合が開いた会合だったと記憶している。「当時、建て替えなんてマンション内で話題にもなっていなかったので、寝耳に水でしたよ」


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私たち追い出されるの?愛着あるマンションに「オフィスビルへの建て替え」計画が…大崎駅前再開発の裏で


◆まだ使える建物なのに「建て替えありき」

マンションの会議室で、不動産関係者とおぼしき男性が、こう説明を始めた。「ここにあるマンションは耐震基準が古い。単独では建て替えが困難なので、再開発という形で建て替えが必要です」

ニュー大崎が完成したのは1978年。確かに、震度6強~7の揺れでも倒壊しないように耐震基準を強化した1981年以前に建てられた旧耐震基準のマンションだ。

湾曲したバルコニーが特徴の「ニュー大崎」を見上げる沢田さん。隣には間もなくタワーマンションが完成する

それでも沢田さんは戸惑った。「ここは東日本大震災でも、壁にヒビ一つ入らなかったのに。いきなり危ない、危ないって言われても…」

「まるで建て替えありきで、何言ってんの」。内心では、かえって反発を覚えた。

すると一緒に参加していた母親が、沢田さんの思いを代弁するかのように会場で、こう訴えた。

「建物が古いというなら、耐震工事という手もある。何もそんな、まだ使える建物を壊して作り直すって非現実的じゃないですか」

説明していた男性は、母親の発言を聞き流すように、素っ気なく「そういう手もありますね」と答えただけだった。

◆不動産の営業マンが明かした本音

数カ月後、管...

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