02-13
住宅密集地のデータセンター、江東区でも問題化 水害リスクあるのに地下に重油貯蔵スペース計画…住民動揺
2026-02-13
HaiPress
人工知能(AI)などの情報処理を担うデータセンター(DC)を巡り、東京都江東区でも住宅密集地での建設計画に地域住民から反対の声が上がっている。

DCの建設が計画されている江東区の用地と、建設計画を示す標識(コラージュ)
区は事業者への行政指導を強化する新たなルールを今月から施行。DC建設に関する住民への説明の徹底を求めているが、DCの立地そのものを規制する法律がない中、住民に丁寧な「説明」が尽くされるかどうかは、企業側の裁量に委ねられるのが実情だ。(中根政人)
◆大規模な集合住宅の近く、排熱や騒音など不安が
衆院選の投開票が行われた8日夜。東京都江東区の千石3丁目でDC建設を計画する事業者による住民向けの説明会が、同区の小松橋区民館であった。だが、計画への懸念点は完全には払拭されず、出席者にはもどかしさが残った。
計画されているのは、シンガポールに本社を置く「エンピリオン・デジタル」などによる5階建て、高さ約51メートル、延べ面積約2万2600平方メートルのDC。計画地は同区役所から北に約500メートルに位置し、付近には大規模な集合住宅がある。

DCには、大量の計算を同時に実行するための画像処理装置(GPU)を使ったサーバーが数多く配置される。大量の電力消費を伴うだけでなく、サーバーを冷やす空調設備からの排熱や騒音、DCの建物の高さがもたらす日照権の問題、非常用電源の燃料となる重油貯蔵の安全性などの問題があり、住宅密集地での建設計画に対する住民の不安が各地で高まっている。
◆地下には重油計120万リットル貯蔵?の是非は
区への提出資料によると、事業者側は排熱や騒音の懸念に関して、室外機は省エネで低騒音のものを設置し、消音器で覆ったり周辺を防音壁で囲う対策を講じると説明。一方で、地下では、重油計120万リットルを貯蔵できるスペースを確保するとしている。
地域住民でつくる「江東区千石のデータセンター建設を考える会」の事務局を担う男性(40)は、計画地一帯の標高が低く、水害などのリスクが高いとして「防災の観点からも受け入れ難い」と指摘。計画全体については「巨大なDCの建設は、地域振興や環境保護などに逆行する。新たな住民や商業を迎え入れて、街にさらなるにぎわいがやってくることを願っている」と話す。
説明会の内容に関しては「われわれが指摘しないと出てこない回答もあった。丁寧に説明責任を果たしてほしい」と訴える。

DCの建設が計画されている東京都江東区千石3の用地。北側には大規模な集合住宅が建つ=東京都江東区で
説明会は、今回を含めて計4回開催することとしていて、このうち前半の2回は計画全般をテーマに設定。後半の2回は騒音や排熱などに関する専門的な内容を予定している。
◆2月1日施行、区の「指導要綱」に基づき住民説明会
今回のケースのように、住民への説明責任を事業者側に促す根拠となっているのが、今月1日に施行された区の「大規模データセンターに係る建築計画の早期周知に関する指導要綱」だ。
区では昨年4月から、DCに関する「建設対応方針」を運用。建築計画に関しては、従来は確認申請などの最大90日前までとしてきた標識設置を120日前に前倒しすることや、屋外の空調設備などの設置箇所を明示させることなどを事業者側に求めてきた。

東京都江東区千石3のDCの建設計画を示す標識=東京都江東区で
「指導要綱」ではこうした行政指導をさらに強め、高さ10メートル超で延べ面積が3千平方メートル超などの「大規模データセンター」に関しては、計画の概要や説明会の開催日時、場所などについて事前に区との協議を求め、計画を知らせる標識の設置後15日以内に説明会を開催することなども求めることとした。
◆法律が追い付いていない中で
江東区の大久保朋果区長は記者会見で「建築基準法上、DCの定義はそもそもなく、法律上の規制もない」と説明した上で、指導要綱の意義について「実態が分からないとい...
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