「ファイナルは別の世界」町田ゼルビア、初タイトルかかる天皇杯決勝へ 黒田剛監督が覚えている独特の怖さ

2025-11-21     HaiPress

〈密着マーク・町田〉

FC町田ゼルビアの練習場は、大一番を控えて張り詰めた空気が漂っていた。クラブ初のタイトル獲得がかかる天皇杯の決勝を2日後に控えた20日。完全非公開での全体練習を終えた黒田剛監督は、程よい緊張感をまといながら取材エリアに現れた。(加藤健太)

◆「もちろん、不安もある。でも…」

注目度の高さを物語るように、20人を超える報道陣がグラウンドに詰めかけた。指揮官はその物々しさに少し驚いた後、「よいしょ」と言ってベンチに腰を下ろし、心境を語り出した。

天皇杯の決勝に向けて意気込むFC町田ゼルビアの黒田剛監督=20日、東京都町田市で(加藤健太撮影)

「もちろん、不安もある。でも、やってやろうっていう気持ち。ここまできたら、臆することなく戦いたい」

対するはヴィッセル神戸。昨シーズンはJ1を2連覇し、天皇杯も優勝して2冠を達成した。主将の昌子源が「ラスボス」と表現したように、最後に乗り越えるのには、これ以上ない相手だ。

その前回王者も、今季はリーグ3連覇の可能性が消え、YBCルヴァン・カップも準決勝で敗退。天皇杯も逃して「無冠」に終わるわけにはいかず、より一層、目の色を変えて臨んでくることだろう。

多くの報道陣を前に取材に応じる望月ヘンリー海輝(左)=20日、東京都町田市で(加藤健太撮影)

黒田監督は神戸とファイナルで争う意義を、こう強調した。

「神戸に、この決勝という舞台で競り勝つことで、われわれの成長を証明できる。胸を借りるつもりで、チャレンジャー精神で向かっていきたい」

◆「魔物が住む」国立で3週連続の戦い

プロ監督に転身する以前は青森山田高校を率いて、全国選手権などで何度も決勝まで勝ち上がり、大観衆に囲まれる国立競技場での頂上決戦を経験してきた。3年目を迎えたプロの世界で決勝まで進んだのは初めてだが、カップ戦の頂点を決める一戦の怖さは熟知している。

天皇杯準決勝でイレブンに声をかける黒田監督=16日、国立競技場で(芹沢純生撮影)

「国立には魔物が住んでいると言われるように、あっけないゴールで終了したり、考えられないようなシュートで1-0で終わったり、何げないプレーがPKになったり。特別なことが起こりやすいのが、このステージ」

魔物という言葉を使って警戒心を示し...

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